合金の異相界面構造の安定性解明の為の理論計算手法の開発

弓削 是貴
(京都大学大学院 工学研究科 材料工学専攻 助教)

2013年10月1日火曜日

界面近傍での不規則構造

一般に有限温度での不規則構造は一つの原子配置として表すことは出来ず,ensembleとして考えます.界面近傍でも高温では不規則構造が実現しうるのですが,バルクと比較して界面の計算には一般に膨大な原子数が必要であり,さらにそのensmeble(通常100万〜1000万個,あるいはそれ以上)を考慮するため第一原理からの定量的な評価は困難です.

最近,不規則構造を上記のようなensmebleではなく,ごく少数の構造の情報から表すことのできる理論を開発しました.現在,バルクでこの理論を検証中ですが,これがうまくいけば界面近傍での不規則構造についてもかなり少数の構造から定量的に予測できるのではないかと考えています.

2 件のコメント:

  1. ここで言われている不規則構造とはどのようなものなんでしょう? その大きさは? その性質は? 具体的なイメージがわかずにいます。弓削さんの研究目的がそこにあるのかも知れませんが....メガオーダーの原子群と考えれば良いのでしょうか? 触媒表面の反応とも関係してくるのかな? と、門外漢として色々想像しています。

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  2. 松永様

    早速のコメント有り難うございます.不規則構造にも色々あるのですが,ここで考えているのは「原子配置に関して」不規則な構造となります.一般にこのような不規則構造を記述する手段として短範囲の規則度パラメータがあります.これは理想的に完全に不規則な状態に対して,どの程度異種原子ペアが多いか或いは少ないかを定量的に表すパラメータとなります.

    不規則構造を表すのに必要な系のサイズは,従ってこのようなペア相関が空間的にどの程度まで存在するか,ということで変わってきます.

    触媒表面の反応自体は,電子のダイナミクスも考慮する必要があるのでさらに複雑になりますが,例えば分子の吸着エネルギー等は表面近傍の組成や原子配置と密接に関連しているため,短範囲の規則化を定量的に理解することが重要となります.

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